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COLUMN 不動産売却コラム

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2025/11/22(土)

「空き家は“持つべきか、手放すべきか”― コスト・心・未来を比べて考える

はじめに

空き家の相談を受けていると、「この家、持ち続けたほうがいいんでしょうか?」「やっぱり売ったほうが良いんでしょうか?」

という質問が必ずと言っていいほど出てきます。

これは、不動産の専門家である私にとっても毎回重たいテーマです。

なぜなら、空き家は単なる“物件”ではなく、“思い出の器”でもあるからです。

相続で突然空き家を引き継ぐ方が多く、そこには家族のぬくもりが残っている一方、維持にはお金と手間がかかる現実もあります。

今回は、空き家を「維持する」か、それとも「売却して手放す」べきか。

費用面と精神面の両方から、専門家としてわかりやすく整理していきたいと思います。

 

■1.空き家を“維持する”選択肢のリアル

 

  • (1)維持にかかるお金──実は毎年しっかりかかる

空き家を持ち続ける場合、最低限発生する費用は大きく4つです。

  1. 固定資産税
  2. 水道・電気・ガスなどの基本料金(完全停止が難しいケースが多い)
  3. 庭の草刈りや通気・通水など最低限の管理費
  4. 修繕費(屋根、外壁、給排水、シロアリなど)

特に見落とされがちなのが修繕費です。

古い家ほど、どこかしら傷んできます。

屋根の補修で20〜80万円、外壁塗装で80〜150万円。

水回りは10〜30万円。

これらは放置すると家の傷みが加速し、「特定空家」に指定され、固定資産税が従来の6倍になる可能性もあります。

「何もしなければお金がかからない」というのは、大きな誤解なのです。

空き家は放置しても自然には維持できません。

特に築年数が古い場合、年間20〜40万円程度のコストは見込む必要があります。

『とりあえず持っておこう』は長期的には損になる可能性が高いです。

  • (2)維持するメリット

空き家に「残す理由」がある人は多く、その気持ちはとても尊いものです。

  • 「思い出をしばらく残しておきたい」
  • 「いつか自分(または子ども)が住むかもしれない」
  • 「売るにはしのびない」という感情

また、土地の値段が今後上がるエリアの場合は、持ち続ける価値があるケースもあります。

家族の思い出や土地の価値を考えると、維持を選ぶのは自然な判断です。

ただし、維持には心身の負担も伴うため、『いつまで持つのか』をあらかじめ決めておくことが重要です。

  • (3)維持するデメリット

しかし、メリットの反面デメリットは想像以上に大きいのも事実です。

  • 管理の手間や費用がかかる
  • 遠方に住んでいる場合は管理の精神的な負担が大きい
  • 放置すると倒壊や火災、近隣トラブルのリスク

実際、相談者の多くがこう話します。

「行かなくちゃと思うけれど、心のどこかで避けてしまうんです。」

空き家とは、“使っていないのに心だけが使い続けるもの”なのです。

 

■2.空き家を“売却する”選択肢のリアル

 

  • (1)売却にかかる費用

売却する場合にも費用は発生します。

  • 不動産会社への仲介手数料(一般的に売却金額の3%+6万円)
  • 不要物の片付け・撤去費用(数万円〜数十万円)
  • 老朽化が進んでいる場合は解体費用(100〜200万円前後)
  • 利益が出る場合は譲渡所得税

「売却に伴う費用は一時的ですが、長期の維持費に比べると小さい場合が多いです。

特に解体費用や残置物処理費用を見積もることが重要です。」

ただし、これらの費用は売却金額から相殺できる場合も多いため、実質負担はそこまで大きくならないケースもあります。

  • (2)売却するメリット

売却の一番のメリットは、**「管理しなくてよくなる」**ことです。

  • 草刈りも通水も不要
  • 台風が来てもヒヤヒヤしなくて済む
  • 近所迷惑を心配しなくて良い
  • 心のどこかに居座る「行かなくちゃ」という負担がゼロになる

そしてもう一つ重要なのが、「資産価値が落ち続ける建物から卒業できる」という点です。

木造住宅は築20〜30年を超えると、市場価値はほぼゼロになります。

つまり、持ち続けるほど価値が下がり、維持費だけが増えていくのです。

これは資産というより“負債”に近い状態。

売却すれば、現金として別の使い道が生まれます。

老後資金に回す人、子どもの教育費に充てる人、あるいは旅行に使う人もいます。

売却の最大のメリットは、心と財布の負担を一気に解放できることです。

思い出をどう残すかは別途整理すれば良く、物理的な家屋にこだわる必要はありません。

 

  • (3)売却のデメリット

もちろん、売却にも心の負担があります。

  • 「思い出の家が無くなる寂しさ」
  • 家族の中に反対する人がいる
  • 地域によっては売れにくい

特に心の部分は人によって深さが違います。
だからこそ、無理に結論を急がせる必要はありません。

 

■3.費用で比較:「10年間持ち続ける」と「売却する」

 

ここでは、わかりやすい例をひとつ出しましょう。

〈例〉築40年の空き家、固定資産税10万円/年、管理費6万円/年、光熱費や火災保険料など10万円/年

▶ 10年間維持する場合

  • 固定資産税:100万円
  • 管理費:60万円
  • 修繕費:100万円
    → 合計:260万円

※倒壊リスクや追加修繕があればさらに増える

▶ 10年後の資産価値は?
築50年を迎える木造住宅の一般的な評価はほぼゼロです。

つまり、260万円を“かけ続けたうえで価値は増えていない”という状態。

一方、売却すると?

例えば中古住宅として1500万円で売れた場合、

  • 仲介手数料:約56万円
  • 残置物処分:約10〜20万円
    → 手取り:1400万円程度

 

比較内容を表にすると以下のようになります。

項目

維持する場合

売却する場合

年間コスト

固定資産税10万、管理費6万、維持費10万(合計26万)

仲介手数料56万、残置物処理10〜20万     

10年累計

約260万

約1400万の現金化

資産価値

築40〜50年でほぼゼロ

売却時点で現金化可能

心の負担

管理や遠方の心理的ストレスが大きい

管理不要、心の負担はほぼ解放

思い出

形としても残せる

家屋は手放すが思い出は残せる

将来の可能性

土地値上がりや将来住む可能性

新しい活用や現金化で別の選択肢

 

つまり、
「維持して260万円払う」か「売って1400万円を受け取る」かという違いです

空き家の所有者は40~70代が多くを占め、教育資金の負担が増大したり年金だけでは生活費が足りないという声も多いです。

各家庭の事情も踏まえて、数字と感情の両方から整理すると、維持か売却か判断しやすくなります。

維持する場合は費用と心理的負担を覚悟する必要があります。

売却する場合は思い出との決別はありますが、現金化と精神的解放が得られます。

 

 

■4.精神面で比較:「気持ちの負担」と「気持ちの整理」

 

空き家には必ず感情が伴います。
その気持ちを無視して結論を出すと、あとで後悔することが多いです。

  • 維持すると残る“温かさ”
  • 思い出の場所が残る
  • 帰省した際に寄れる場所がある
  • 心の中の“拠り所”になる

これはお金には替えられません。

  • 維持すると増えていく“心の重さ”

しかし、多くの相談者がこう語ります。

「行くのがつらい」
「いつか片付けなきゃと思い続けるのがストレス」

空き家は、自分の忙しさや人生の節目によって“負担の顔”を見せます。

  • 売却すると得られる“解放感”

売却した後の相談者からは、

  • 「肩の荷が下りた」
  • 「もっと早く動けば良かった」
  • 「家のことで兄弟と揉めなくて済んだ

といった声が多いです。

  • 売却に伴う“寂しさ”

もちろん、手放した瞬間に寂しさが来る人もいます。
でも、それは自然な感情であり、悪いものではありません。

思い出は家ではなく、心の中に残ります。
写真を撮ったり、家の一部(柱や家具)を残したりすることで、
“形を変えて受け継ぐ”こともできます。

 

■5.最終判断のための「3つのチェック」

 

空き家の決断をするとき、私はいつも次の3つを確認しています。

1.10年後、その家を使う予定は現実的にあるか?

「いつか住むかもしれない」という言葉は多いですが、実際に戻る人は5%以下です。

2.維持費を10年間負担しても生活に響かないか?

年間20〜40万円の維持費は、長い目で見るとかなり大きいです。

3.心の負担が“持つ喜び”を上回っていないか?

行くのがつらく、管理がプレッシャーなら、それはすでに“精神的赤字”です。

 

空き家の判断は感情・費用・将来の使い道の3軸で考えるとブレにくいです。

相続した空き家は特に『心の負担』と『財産価値』の両方を冷静に評価することが重要です。

 

■6.おわりに:未来のためにできる最初の一歩

 

空き家は、「持つべき」「手放すべき」といった単純な問題ではありません。
でも、費用面・精神面の両方を整理すると、
自分にとって最も納得できる選択が見えてきます。

もし迷っているなら、まずは現状を整理するところから始めてください。

  • 現在の建物状況はどうか
  • 修繕費がどの程度かかりそうか
  • もし売ったらいくらになりそうか
  • 維持費をあと何年払い続けられそうか

情報が揃うと、不思議なほど気持ちが軽くなります。

空き家は“負の遺産”ではなく、未来の選択肢です。
自分と家族が笑顔でいられる答えを、心とお金、両方のバランスを考えて一緒に見つけていきましょう。

 

最後に

不動産について悩みや分からないことがあったら、プロからのアドバイスを受けることが重要です。

そのため、まずは私たち三河不動産売却センターへの相談をお勧めします。

私たちは、創業90周年を迎え豊富な実績と地域業者様との長年にわたるネットワークを活かし、迅速かつ適正な価格での査定をお約束します。

また、売却に伴う手続きや費用についてもサポートいたしますので、安心して相談してください。

お客様のご要望や状況に合わせた柔軟な対応を心掛けています。ぜひ、お気軽にご相談ください。